個人の感想なので、と主張して自己の主張の正当性を主張する人間がいるみたいだが、はっきり言って勉強不足以外の何物でもない。そもそも社会というのは不自由極まりない場所である。
　社会が不自由極まりない場所であるのは、各国の憲法を読むとわかる。自由権がわざわざ大々的に書かれているのだから、そもそも野ざらしの社会というのは不自由極まりない場所なのである。しかし、その中で、何を自由とするのか、どこまでが自由なのか、その他様々な自由への議論を通して、現代社会が作られている。
　彼がはき違えてしまったのは、思想の自由と表現の自由をごっちゃにしてしまったことである。私たちが何を考えるのか、それは言うまでもなく自由である。頭の中ならば、授業中にテロリストが窓から侵入してきたときに仲間に入れてもらってテロに加担しても問題はない。ただ、実際にそれをする自由は自由ではない。「疑っている内ならまだしも、口に出したら戦争じゃねえか」という名言があるが、まさにその通りである。表現はかなり制限が高い自由なのである。そして、彼の悲しいところは、それをはき違えたまま議論が成立してしまう場でしか話をしてこなかった(出来なかった)ことである。
　仲間内でしか共有できない話題や切り口というのがある。お笑い芸人も、仲間内を笑わせる(学校内の人気者)程度では、全く笑わせることが出来ない様に、仲間内というのはとても狭い範囲である。彼はそのとても狭い範囲でしか語ることが出来なかったのである。そして、その語りは一方的なので、次第に彼はそのようにしか思考できなくなってしまい、個人というのは社会的存在でもある、という基本的な知識が抜け落ちてしまったのである。
　ただ、彼からすれば、炎上すれば金になるのだから、ＮＯダメージだろう。彼の見える世界は狭いのだから。自分の部屋が清潔であれば、他には何の問題もないと考える。少しでも広い世界を見ることが出来ていれば、彼のように知識にどん欲な人間は、そんな発言を自分自身が許容しなかったはずである。自分で言ってて違和感を感じない程度の知識しかないのだから、不勉強である。小学生が人を殴って、「俺の自由だから」と言う。その程度の知識量にすぎない。彼がこのまま幸福に過ごすには、信者の献身的な支え(お金)が必要だ。